敷地は和歌山市内、周りをマンションが囲う街中である。
元々ホテル内でカフェを経営されていたオーナーが
「散歩でふらっと立ち寄れるカフェ」づくりを目指し、
店舗兼住宅として本プロジェクトはスタートした。
美術の愛好家でもあり収集家でもあることから、求められたのは美術館のようなカフェ。鉄筋コンクリート造のさっぱりとした店内に作品を展示し、美術館のような雰囲気の中でおいしい食事と会話を楽しんでもらいたいということであった。
美術作品の背景となる店舗スペースの素材感、そして家族がコンパクトに暮らせる住居スペースの暖かな質感にこだわって設計を進めた。
雑然とした街並に建った白いキューブの建物は、喧噪から開放され、昼には香り高いコーヒーを、夜には深い味わいワインが楽しめる「語り場」になった。